Antique Scuba Attention
林 悠樹 先生との対談 2007年5月 神戸にて みなさま、水中写真集「MERMAID」をご存知せすか? 1987年に水中写真家の林先生が発表された写真集です。 水中の女性を美しく撮った素敵な写真集です。この写真集は私にとってバイブル的存在です。 少し前になりますが、神戸在住の林先生とのアポイントがとれ先生と1時間ほどお話してきました。 (林先生から写真作りの元気をいっぱい分けてもらって来ました。皆さんにもお伝えしますね!) |
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■水中写真の始まり? Antique_scuba: 先生の写真集「Mermaid」素敵ですね、私は先生の「Mermaid」が水中写真を始めたきっかけなんですが、先生が水中で女性を撮ろうとしたきっかけはどんなことだったんでしょうか? 林先生: 実家の家業の関係で大学時代から写真を良く撮っていました、友人に誘われてダイビングを始めた頃は、あわびやサザエを採っていましたね。友人の一人が水中で写真を撮っていて僕も始めた訳です。ダイビングの仲間に泳ぎの上手な子がいて、この子の泳ぎを見ているうちにこの子を撮ってみたいと思い始めました。 沖縄へ良く行きましたよ、神戸から自前の船にダイビング機材一式を積んで、荒波を掻き分けて行ったものでした。結構危険な状況もありましたが、みなで力を合わせて乗り切りました。 神戸(サンTVの取材も同行して沖縄まで行ったこともありましたよ) ■写真集Mermaid撮影秘話 Antique_Scuba: 写真集「Mermaid」の撮影は大変だったのでしょうね!、撮影秘話などあればお聞かせください。 林先生: モデルの子は泳ぎが好きで、とにかく楽しんで泳いでいました。 楽しんでいる姿が素敵で夢中にシャッター切っていました。それとモデルの子が無理なポーズでも頑張ってくれたので、良い写真が撮れたと思いますよ。 女性が大きなアンカー(錨)につかまっている写真があるでしょ、覚えていますか? このアンカーはFRPをつかって自作したアンカーなんですよ。僕は女性が水中でアン カーにブランコ乗るように腰掛けているイメージが撮りたくて、 しかし人が乗れるほどのアンカーは大型船でないと無理ですし、そこでアンカーをFRPで作ってしまったのです。しかし作ったアンカーは沈まず錘をつけ て沈めたそうです。 たからアンカーの下にロープが伸びているでしょう! |
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先生が当時自作した16mmハウジングを 持ってきて見せていただきました。 |
■自作ハウジング Antique_Scuba: すごいハウジングですね、自作ですよね。 林先生 僕は最初スチルだったのですが、動画も撮ってみよう思ったわけです、でもハウジングなどは無く、それであれば自分で作るしかないと作成したわけです。 このハウジングベースは熱帯魚の水槽なんですよ。 熱帯魚屋さんに無理やりお願いして工房をかりて作りだしたのです。 熱帯魚屋さんの店が終わってから夜にお店に集まり作りました。 アクリス版の曲げ方、接着の仕方からおしてもらい、ズームやピントを合わせるための歯車も自分たちで考え、アクリル版を鑢で削って歯車を作り動かした物でした。防水の方法もゴムのシートを切ってパッキンを作りました。 完成して、お風呂に沈めてみると水漏れなし、でも沈みません作業台ではものすごく重いのに、そこでハウジングの下に錘を入れるスペースを追加で作ったもんです。 完成したハウジングでは、サンTVの探検番組などを撮影したのでした。 ■一緒にやってくれる仲間 Antique_scuba: 先生のパワーはすごいですね、どこからパワーが沸いてくるのですか? 林先生 僕は良い仲間に恵まれました、モデルを引き受けてくれた女性、ハウジング作りなど準備・撮影サポートまで協力してくる仲間があって初めて出来たことでした。 当時はあまりうるさい規則をいう人も無く仲間と気があえば、すぐに実行でした。 Antique_Scuba 僕も趣味で写真をとっているのですが、先生からアドバイスいただけますか? 林先生: ・ ・撮りたいイメージを実現するためにアンカーを作るほどのパワーを持ってください。 ・ 「道具が無ければ自分で作って撮る」パワーを満ち続けてください。 ・1人では何もできません、仲間を大切に、一緒に目標に向かってください。 先生から いっぱい・いっぱい 元気をもらいました。 |
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